今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
ガラスのケースには、大きく等間隔を空けてホワイトのステージにリングがディスプレイされている。
スタッフの女性に、どのようなものがいいかと問われると、怜士は沙帆の背にそっと手を触れる。
「どんなのが好き?」
「えっ……そう、ですね……」
横から怜士に顔を覗かれ、正面からはスタッフの女性に愛想よく微笑まれ、高まる緊張に落ち着けない。
二人の視線から逃れるようにガラスケースの中に目を落としても、それはそれで輝くジュエリーに動揺してしまった。
「お好みもあるかと思うのですが、エンゲージリングはこちらのスリーストーンのものや、リボンデザインのものが人気があります。シンプルなものがお好みですと――」
スタッフの説明を耳にしながらも、沙帆は視線をさまよわせる。
そんな沙帆の様子に、怜士は耳元に唇を寄せた。
「沙帆、どれがいい? お前の一番気に入るものを選べばいい」