今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~


何故だか胸の辺りがざわざわする。

この感じがなんだかもわからないまま、沙帆はそもそもどうして自分が隠れる必要があったのかと肩を落とした。

咄嗟に、反射的にだったが、息を潜めるまでしてしまった。

ドクターと患者さん、あの二人はそういう関係だ。

その上、咲良は高校生ほどの歳だと聞いている。十代の、まだ未成年の子どもだ。

隠れて二人の会話を耳にし、姿を目にして、なぜこんなに落ち着かない気持ちにならなくてはいけないのか意味がわからない。

(……やめやめ!私には関係ないこと)

沙帆は気を取り直し、取りに来たダスターを積まれたダンボールの中から抜き出した。

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