今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~


どこか怜士の様子を窺うような慎重な口調で、沙帆は問いかける。

そんな沙帆の真っ直ぐな瞳に、怜士は微笑み返した。


「子どもか。もちろん」

「何人欲しいですか?」

「そうだな……理想は、ふたりとか、三人くらいか? そういう沙帆はどうなんだ」


逆に聞き返されて、沙帆「うーん」と唸る。


「私も、同じです。ひとりっ子じゃ、可愛そうな気もするし。兄弟がいた方が楽しいですよね」


楽しげに話す沙帆を見ていて、近い将来、家族が増えるかもしれないことを怜士は想像していた。

自分が父親になることにはピンとこないけれど、沙帆が育児をしている姿はなんとなく想像がつく。


「でも……授かれれば、何人でもいいかもな?」

「子だくさんだと大変かもですよ?」

「もちろん、俺も一緒に子育てする」


決意表明のようにはっきりそう宣言すると、沙帆はなぜかクスッと笑った。

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