今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
「怜士さんが子育てとか、なんか想像がつかない」
怜士本人が想像できなかったのと同じで、どうやら沙帆にもその姿は思い浮かばなかったらしい。
クスクス笑いをくすぶらせる沙帆の唇を、怜士はソフトなキスで塞ぐ。
「でも、まだすぐにはいいかな。しばらくは、沙帆を独占したい」
「それは、私だって同じです……子どもに、怜士さん取られちゃいそうだから」
覆い被さってきた怜士の肩に、沙帆は咄嗟に両手を置く。
「あ、あの、怜士さん、待って――」
その言葉も虚しく怜士に唇を奪われると、沙帆は観念して肩に置いていた手を怜士の首に回した。
慈しむように、それでいて情熱的な口付けは、すぐに沙帆を蕩けさせる。
唇を離すと、沙帆は潤んだ目でじっと怜士を見上げる。
「……もっと、してください」
頬を紅潮させながらも、沙帆は積極的な言葉を囁き怜士を誘う。
その柔く甘い表情にぞくりとし、怜士は再び口付けを落とした。