今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
「でも……子どもが生まれたって、沙帆は俺にとってずっと奥さんだから、今と何も変わらない」
唇から耳元へ移動した唇が、沙帆の心を震わせる言葉を届ける。
低く艶っぽい声で「好きだよ、沙帆」と囁くと、怜士の唇は沙帆の首筋を伝っていった。
「……っ、あっ、怜士さん、待って……今日はっ――」
大事な式の前日に、体力のいる夜更かしはいかがなものかと、沙帆は怜士の悪戯な唇を止めようとする。
しかしそれは無駄な抵抗で、沙帆は襲い来る甘美な誘惑に抗えなかった。
「可愛くて、無理……」
今宵も、怜士は沙帆を目一杯に可愛がる。
明日が大事な挙式だということもいつしか忘れ、二人はいつもと変わらぬ甘い夜に溺れていった。
F i n *


