今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~
目を開けると、白い天井と細長い蛍光灯が見える。
顔を左右に動かして周囲を確認すると、「気付かれましたか?」と、女性が覗き込んできた。
「私……?」
「今、先生呼びますね」
そう言って微笑んだ年配の看護師らしき女性は、「鷹取先生、意識戻りました」と奥へ引っ込み沙帆の前から姿を消していく。
さっきまで仕事をしていたのに、ベッドの上に横たわっている自分の状況に混乱した。
(私、ハシゴから足滑らせて……落ちた?)
ぼんやりと記憶を辿っているところ、足音が近付く。
真上から顔が覗いて、「ぅわっ!」と変な声を上げてしまった。
「起きたか」
現れたのは、さっきハシゴの上から見た白衣の鷹取だった。
「あ、あの、私……」
「言ってた矢先にこれだからな」
「えっ?」