からめる小指  ~愛し合う思い~
「このパイナップル、美味しいよ!」

「ガラス作り体験だって~トンボ玉作ろう!」

「ガラスのシーサーまである~。」

修学旅行の分を取り戻そうとするかのように楽しむ千尋。

「尋、そろそろ一回ホテルに行こう。
荷物を置いてから美浜アメリカンビレッジに行ってみよう。
今日のホテルはプールがないから出掛けて、明日は入ろう。」

「明日のホテルはプールがあるの??スゴい!
樹先生にもらったビキニを持って来て良かった。」

えっ!樹のビキニ??

「尋、家で使ってる水着を持ってきたんじゃないの?」

「えっ?家にある水着って……中学のスクミズだよ?
あれが良かった??」

どうやら千尋は、水着を持ってなかったらしい。

ビキニで泳ぐ気か?

千尋はどうも恥ずかしさに欠けるみたいだ。

この間のお風呂もそうだったけど……

ビキニで運ぶ俺の方が照れてしまった。

「尋、後で買い物の時に水着も買うよ。」

「ビキニがあるのに??」

「俺が選んだのが良いの。
それに、ここだったら色々あって選べるから。」

それらしい理由をつけると

「先生、ヤキモチ?」と…………

………アホ。

たぶん、樹に妬いたと思ってるんだろうな。
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