からめる小指  ~愛し合う思い~
「ブルーシールのアイスにタコスにパンケーキって……
どれだけ入るんだ?」

「だって~はぁちゃんが美味しいよってメールしてくれたんだもん。
先生も食べれば良いのに。」

甘そうなデザートをこれでもかと並べて、次々と口にしていく。

「ホテルの夕ごはんが食べれないぞ。」

俺の注意に聞く耳も持たずに

「大丈夫だよ。
まともに食べたのって、パンケーキだけだもん。
どれをお土産にしようかなぁ。
先生のマンションにも送って、一緒に………………あっ!」

『一緒に』の続きは…………『食べよう。』だったんだろうな。

気にしなくても、家で会うのは大丈夫なのに………。

「一緒に食べような。
あんまり甘くないのにしてくれよ。」

マジマジと見つめて………

「うん!」と嬉しそうに微笑む。

あんな顔を見せられたら…………

出来るだけ一緒に居れるように頑張んないとなぁ。

さっき樹からメールがきた。

『昨日、遥に伝えた。
泣かないで『ありがとう』って言われたら………
バレないように出来るだけ時間を作ろうと思う弱い自分が、顔を出して困る』と………。

その時は、意志の弱い樹を笑ったが………………俺も一緒だった。

健気な彼女達を前に………無理だよなぁ。
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