からめる小指  ~愛し合う思い~
「ねぇ~ホントにダブルしか空いてなかったの?」

「そっ。」

「明日も明後日も??」

「そっ。」

ダブルベットに納得のいってない千尋は、何度目になるか分からない質問をする。

諦めが悪いですよ。

「夏休みの今、いっぱいなんだからしょうがないだろう。
いいから寝よう。
明日起きれなかったら、楽しみにしてたバイキングが食べれないぞ。
襲わないから寝なさい。」

俺の顔をチラチラ見ながら………諦めたように入ってきた。

そんな煽るような顔をしてたら、本気で襲うぞ!



ベットに入っても、中々眠気がこないのか寝返りを打つ。

「尋………俺が怖い?」

この間は怖がらせたけど………ここまで不安そうだと心配になる。

「………………う~ん。
怖いっていうか…………先生が男の人なんだって知って……
ちょっと戸惑ってる。
出会ってからずっと先生は先生だったから………。
先生じゃない先生を知って………
…………やっぱり怖いのかなぁ??…………変な感じなの。
結婚するのも初めて経験するのも………先生が良いって思うけど……。
…………………もしかしたら…………お父さんの相手の妊娠を見たからかも。
去年、放送部の相談を受けてからは………エッチって幸せの象徴のように感じて
いつか先生とそうなりたいって思ってたんだけどね。
浮気の結果っていう思いが、頭から離れないんだ。」

…………………やっぱりそうか。

そんな気はしてたんだけど…………

教師としても、彼氏としても………配慮が足りなかったな。

「………………ごめん、怖い思いをさせた。
尋を傷つけたよな。
もう不安にさせないから………怖がらないで。」

隣の千尋の頭を、そっとさする。
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