からめる小指  ~愛し合う思い~
父親と母親………それぞれの浮気。

それを目撃するだけでも、ヘビーなことなのに……

父親の相手の妊娠って…………。

そりゃあ、結婚して幸せになるなんて夢は………描けないよな。

それでも俺と結婚して幸せになりたいと思ってくれたのに

脅かすようなマネをして…………。

エッチの先にあるものが、幸せな家庭と望む子供でなくては………怖いって!

自分の浅はかな行動に、嫌気がさす。

「ねぇ、先生。
あの女の………子供の父親って………やっぱりお父さんだよね?
もう…………終わるのかなぁ?…………………ウチの家族。
ふだん、考えないようにしてるんだけど…………時々思い出して………不安になるの。
大学だって…………行けるのかなぁって。
お父さんが男の人だったって……思ったからかなぁ?
……………先生が怖い訳じゃないんだよ。
そりゃあ、男の人だった!って……ドキドキしたけどね。」

「もういいよ、分かった。
ごめん………尋にこんなこと話させて。
お父さん達のことで悩んだら…………教師とか学校とかって気にしないで
俺の所に話に来てくれる?
尋を不安にしないし、今まで通り守るから。
俺が尋を怖がらせたり、困らせたりもしないから………俺の隣にいて。
もう…………尋を傷つけないから………。」

今までは、年の差がかなりあるし教師だからと

上から諭してきた。

でも今日は、俺のつまらないプライドすら感じない程

千尋を傷つけたことがショックで…………

気づいたら『俺の側にいて』とお願いしていた。

尋より大切なものって………ないんだよなぁ。
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