焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
彼を見ると、重なり合う視線。蒼は頭を掻きながら言う。

「悪い、決して杏の水着が見たかったからとかじゃないから」

必死に弁解する彼が可愛くて可笑しくて、恥ずかしさもどこかへ飛んでいく。

「ううん、ちゃんとわかってるよ? 心配してくれているって。……私の方こそごめん。なんかその、見られるのが恥ずかしくて……」

私もまた必死に弁解すると、ふたりして恥ずかしくなる。だけどそれも少しの間で、顔を見合わせて笑ってしまった。

「本当に俺たち、いつもなにやっているんだろうな」

「本当だよ」

ひとしきり笑った後、蒼はまじまじと私を見て「水着、似合っている」なんて言うものだから、身体の熱が上昇してしまった。

その後、足の手当てをしてもらってホテルへ戻り、夕食をとってお風呂に入った後はだいぶ痛みも引いてきた。

沖縄で過ごす最後の夜、私と蒼は海が見渡せる部屋のベランダに出て、月明かりに照らされる夜の海を眺めていた。

「今夜が沖縄で過ごす最後の夜かと思うと寂しいな」

「あっという間だったな」
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