焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「だ、だって蒼がそうだったでしょ? 私の辛い記憶は全部上書きしてくれたじゃない。……私だって蒼の嫌な思い出を上書きしたいって思ったから」

「杏……」

すると蒼は嬉しそうに頬を緩め、私の肩に腕を回し引き寄せた。

密着する身体に、胸は早鐘を打ちはじめる。

「あ、蒼……?」

ここは飛行機内。列を挟んで隣の乗客に見られている気がする。だけど彼は気にする素振りなく、私の身体を離してくれない。

「ありがとう、杏」

降ってきた優しい声色。

「でも俺、杏と再会してから毎日が幸せなんだ。……高校生の時、片想いしていた記憶なんて、とっくに全部上書きさせてもらったよ」

顔を上げると、至近距離で目が合う。

「杏がそばにいてくれるだけで幸せで、毎日頑張れる。……これからもずっとそばにいてほしい」

「……うん」

私も同じ。蒼のそばにこうしていられるだけで、幸せでどんなことも乗り越えられる気がするの。
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