焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「もう好きじゃないよ」

振られたばかりの頃は、陸人以外の人を好きになれるわけないし、浮気されて振られたっていうのに、一生忘れられないとさえ思っていた。

でも時間が経つと気持ちは変化していき、陸人への想いは徐々に小さくなって完全になくなった。

「じゃあどうして恋愛に奥手になっちゃったの? あんなに好きだった海まで嫌いになるほど、トラウマになっちゃったの?」

聞かれたものの、すぐに答えることができない。

よく考えれば、おかしな話だよね。もう陸人のことは好きじゃないのにどうしてこれまで恋愛できずにいたんだろう。なぜ海を嫌いなままなんだろう。

少し考え込むと、見えてきた答え。

それをポツリポツリと言葉にしていった。

「私……怖いのかもしれない」

「なにが?」

すかさず聞いてきたみどり。

「また誰かを好きになって、気持ちが変わっちゃうのが怖いのかもしれない」

ずっと陸人に浮気されて振られたショックで、恋をするのが怖くなっちゃったのかと思っていた。
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