焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
でも本当は違うのかも。あんなに好きだった陸人。浮気されて振られても一生忘れられないと思っていたのに私の気持ちは変わってしまった。

同じようにこれから誰かを好きになっても、相手の気持ちはもちろん、自分の気持ちも変わってしまうのが怖いから、恋愛から逃げていたのかも。

その答えがスッと胸に入ってくる。

「なんかそう思うと情けないね。メンタル弱すぎ」

渇いた笑い声を漏らしながらお茶を飲むと、みどりは首を横に振った。

「私は情けなくないと思うよ。……誰だって辛い想いをしたら、臆病にもなるって」

「みどり……」

すると彼女は前のめりになって自分の想いを伝えてくれた。

「私は杏があいつのことを、完全に忘れていることが知れて安心したよ。要はあいつ以上にいいな、好きなれそうって相手が現れなかっただけでしょ? ……大丈夫、怖いって思わないほどまた誰かを好きになれるって」

笑顔で励ましてくれたみどりに、胸がジンと熱くなる。
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