イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
この国で正妻の他にも内妻を持つことを許されているのは、家の存続に何よりも血のつながりを重んじているためその血を絶やさないように必要だとみなされているからだ。
特に王家ともなれば、以前の国王の持つ妾妃はかなりの数に上った。先代の頃の王宮には、実に三十人もの寵妃がひしめいていたという。
だが、現在の王はたった一人の王妃が亡くなった後も、後妻も妾妃も持つことはなかった。国のため、と大臣たちが進言しても、王はがんとして受け入れなかった。そのために、跡継ぎが病弱な王太子一人だけになってしまったのだが。
特に王家ともなれば、以前の国王の持つ妾妃はかなりの数に上った。先代の頃の王宮には、実に三十人もの寵妃がひしめいていたという。
だが、現在の王はたった一人の王妃が亡くなった後も、後妻も妾妃も持つことはなかった。国のため、と大臣たちが進言しても、王はがんとして受け入れなかった。そのために、跡継ぎが病弱な王太子一人だけになってしまったのだが。