イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「モントクローゼス様のお部屋に、ドレスやアクセサリーが用意してありましたでしょう」

「はい」

 アディは、あの時の事を思い出して眉をひそめた。馬鹿にされて悔しかったアディは、いまだに用意されていたそれらには一度も手をつけていない。

「あれは全て、ルース自身が用意したものなんですのよ」

「……え?」

 それは、アディにとって初耳だった。

「あなた様の金の髪に合わせて、似合う色をあれでもないこれでもないと見繕って。私が手を貸そうとしても、自分がやるから、と手伝わせてはくれませんでした。きっと喜んでもらえるだろうと、あなた様が来るのをうきうきと楽しみにしていたんですよ?」

(うきうき? ルースが?)

 意外なことを聞いて、アディは言葉を失った。
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