イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「当然、ご存知ですよね」

「も、もちろん……」

 アディが冷や汗をかいて追いつめられた時だった。

 ほとほとと扉と叩く音が聞こえた。

 ルースが扉をあけると、一人の衛兵が立っている。

「失礼いたします。エレオノーラ様に、お客様でございます」

「わたくしに?」

 ルースが場所を空けると、足早に入ってきたのは、がっしりとした体つきの大柄な男性だった。エレオノーラは、弾かれたように立ち上がる。

「ブライアン!?」

「エリィ」

 男は、感極まった声でエレオノーラを呼んだ。
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