イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
幼い頃からのなじみとはいえ、今は公爵令嬢と彼女を守る騎士。淑女らしくない相対し方だが、エレオノーラがそんな風に自分を装わずに顔を合わせるのは、ブライアンだけだ。

「そうよ。今日正式に通達を受けたの。来月には、王宮に行くわ」

 淡々と告げたエレオノーラに、ブライアンは激しく動揺した。

「なぜ……」

 絞り出されたその言葉に、エレオノーラはきりりとまなじりを吊り上げる。

「なぜ? 私はメイスフィール公爵令嬢よ? 王太子妃に選ばれたとしても、おかしくないでしょう?」

 エレオノーラは、あえてまだ候補のうちの一人であることは口にしなかった。
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