イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「どれほど君が想ってくれても、俺はただの騎士だ。君のように頭もよくないし、できることといったら、この体と剣で闘うことくらい。こんな俺に、公爵家の令嬢を迎えることなどできないと思っていた。だが、君が実際にキリノアに行ってしまって……俺はようやく、自分の気持ちと向き合うことができた」

「ブライアン……」

「俺は、たとえ相手が王太子でも国王でも、君を渡すことなどできない。君を……愛している」

 エレオノーラの目が、大きく見開かれた。硬直するその白い手を、ブライアンはそっと握る。

「だから、俺は俺にできることをしようと思った。君の兄上たち三人に決闘を申し込んで、今日、そのすべてに勝利した。メイスフィール公爵には許可をもらったよ。君と結婚して俺がメイスフィール公爵家を継ぐことを、公は許してくださった」
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