イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
鬼気迫るブライアンの形相とこてんぱんにのされてしまった自分の息子たちを目の前にして、だめと言えるほどメイスフィール公爵は剛毅な人物ではなかった。

 その一方で、エレオノーラの才能をいち早く見抜き、彼女が女性であることを心から残念に思っていた公爵は、筋肉だけで動いているようなブライアンをエレオノーラがうまく後ろから操って公爵家のために動いてくれるだろうという計算もちゃっかりとしていた。

「そ、そんなこと、私は望んでは……!」

「君が望んだことだよ、エリィ」

 騎士は、うろたえるエレオノーラの手をしっかりと握った。

「今度は、俺から言おう。エレオノーラ・メイスフィール。俺と、結婚してくれ」
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