イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
以前見た時よりさらに暗い部屋の中で、レースのはだけた天蓋の中、誰かがポーレットを抑え込んでいる姿がうっすらと見えた。一瞬濡れ場かと思ってぎょっとしたが、どうも雰囲気が違う。ポーレットの片手を掴んで後ろ手に回し、うつぶせにシーツへと押さえつけているのは、ルースだ。
「ルース! 何を……!」
駆け寄ろうとしたアディは、伸ばされた方のポーレットの手に、光る刃があるのを見て足を止めた。その手もルースに掴まれて、ポーレットは動けない。
「残念でしたね。中にいたのが殿下ではなくて」
「ルース! 何を……!」
駆け寄ろうとしたアディは、伸ばされた方のポーレットの手に、光る刃があるのを見て足を止めた。その手もルースに掴まれて、ポーレットは動けない。
「残念でしたね。中にいたのが殿下ではなくて」