イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「お嬢様こそ、王宮で女官なんてやっていないでさっさとお嫁に行かれたらどうです? モントクローゼス家の伯爵令嬢として、例えばクレメント様の子爵家なんてよいお輿入れ先ではないですか?」
さりげなく話を振ったスーキーに、アディはけらけらとお嬢様らしくない笑いを返す。
「私がクレムと? それこそないわよ! 内妻の一人なんて誰であろうとごめんだし、ましてや私がクレムの正妻なんて! クレムだってきっと鼻で笑っておしまいよ。さ、私たちも帰りましょう。日が高くなっちゃう」
元気に歩き出したアディに、スーキーは軽くため息をついて一緒に歩き出した。
アディ――アデライード・モントクローゼス。
彼女がロザーナの領主、モントクローゼス伯爵の長女ということは、当のロザーナの街の人々には知られていない。秘密にしているわけではない。気づかれていないので、あえてアディも黙っているだけだ。
さりげなく話を振ったスーキーに、アディはけらけらとお嬢様らしくない笑いを返す。
「私がクレムと? それこそないわよ! 内妻の一人なんて誰であろうとごめんだし、ましてや私がクレムの正妻なんて! クレムだってきっと鼻で笑っておしまいよ。さ、私たちも帰りましょう。日が高くなっちゃう」
元気に歩き出したアディに、スーキーは軽くため息をついて一緒に歩き出した。
アディ――アデライード・モントクローゼス。
彼女がロザーナの領主、モントクローゼス伯爵の長女ということは、当のロザーナの街の人々には知られていない。秘密にしているわけではない。気づかれていないので、あえてアディも黙っているだけだ。