イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「それになんとなく……あなたは、私を裏切らない気がしたんです。そんな風に思えた人は、あなたが初めてでした」
「……初めてじゃないですよ」
穏やかに言ったアディを、ルースは静かに見下ろす。
「幼かったあなたを今までこの離宮で守ろうとした陛下は、あなたを裏切ることなどしないでしょう。フィルだって、信頼し合っているからこそ身代わりとなりえたのではないのですか? あなたにはもうちゃんと、信じられる誰かがいるのですよ」
ルースの目が大きく見開かれた。頬に置かれた手に、アディはそっと自分の手を添える。
「もちろん、私も絶対に殿下のことを裏切りません。あなたを……愛していますから」
ルースは、自分の手の中にあるアディの頬が、急速に熱を持つのを感じた。
「……初めてじゃないですよ」
穏やかに言ったアディを、ルースは静かに見下ろす。
「幼かったあなたを今までこの離宮で守ろうとした陛下は、あなたを裏切ることなどしないでしょう。フィルだって、信頼し合っているからこそ身代わりとなりえたのではないのですか? あなたにはもうちゃんと、信じられる誰かがいるのですよ」
ルースの目が大きく見開かれた。頬に置かれた手に、アディはそっと自分の手を添える。
「もちろん、私も絶対に殿下のことを裏切りません。あなたを……愛していますから」
ルースは、自分の手の中にあるアディの頬が、急速に熱を持つのを感じた。