イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「お姉さまの予定は計画通りにいったことがありますか? そもそも計画とは、その通りに行動を進めるためにあるのですよ。ですが姉さまの……」

 思った通り嫌味を連発してくる一つ年下の弟に、アディは口をつぐむ。何を言っても、どうせその倍は返ってくるのだ。ここはおとなしくしていた方が長引かないという事を、アディは経験的に知っていた。

 黙り込むアディに、ランディは説教をやめてしみじみと大きなため息をつく。

「モントクローゼス伯爵家の令嬢として、一応は自覚をお持ちください。それより、例の王宮の話ですが……」

 なぜかランディは、それ以上を口ごもった。

「王宮って……女官の話、決まったの?」

 気まずそうに視線を外したランディの肩を捕まえて無理やり自分の方を向かせると、アディは興奮気味に聞いた。

「決まったのね! 私、女官として王宮に上がれるのね!」
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