エレディンの乙女と青龍の守護者
すると、シュナインは口の端を少し上げた。

「風で聞こえなかったらしい。


問いに答えればよし。ここに用は無い。

乙女はどこだ。」

ガラスのような薄い瞳は意思が読めない。

「なんだあれは?!」
周りがざわつき始めた。

「シュナイン王子だって?!」
「ぇ、、それって、、」
「えー!ハイメル王国の?!」
「眩しくて、、よく見えねぇなあ?!」
仁王立ちして空を見つめるクラリス公ウェルロイドと
その先にぽっかり浮かび上がる人のような影。
一般の民にはほとんど見る機会もない
大国の王子の名前があがり、野次馬で人垣が出来始めていた。
それを騎士たちが制する。
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