極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜【コミカライズ配信中】
「お前は、俺の恋人だろ?」
目を大きく見開いてしまったのは、篠原があまりにも当たり前のようにそう言って退けたから。
「担当者の前に恋人なんだから、もっと堂々としてろ。セリナにだって、はっきり断れば良かっただろ」
そんなことができるはずはないと思うのに、堂々としてもいいのだと知って、心に喜びが広がっていく。
「セリナ相手にあまりにもあっさり引き下がったお前にムカついたから、お前の気持ちを試そうとしたけど、お前は平然としてるし……。挙げ句、元カレといちゃついてるところを見せられるとか、なんの罰ゲームだよ」
彼はまた不満げな顔をしていて、再び機嫌が悪くなったのは明白だった。
だけど──。
「……一回しか言わないからな」
そんな前置きをした篠原が、私の顎を掴んでお互いの視線をピタリと合わせた。
間近で見せられる真剣な表情があまりにも綺麗で、まるで金縛りに遭ったかのように瞬きひとつできない。
「愛してるよ、雛子」
そんな私に、彼はそれはそれはとろけるように甘い囁きを落としたのだ。
その言葉の意味を一瞬で理解した私の胸の奥から熱が込み上げ、意図せずに視界に映る篠原が滲む。
「ほら、雛子もちゃんと言えよ」
「俺も言ったんだから」とつけ足した彼は、真っ直ぐな瞳を向けたまま私の言葉を待っていた。
目を大きく見開いてしまったのは、篠原があまりにも当たり前のようにそう言って退けたから。
「担当者の前に恋人なんだから、もっと堂々としてろ。セリナにだって、はっきり断れば良かっただろ」
そんなことができるはずはないと思うのに、堂々としてもいいのだと知って、心に喜びが広がっていく。
「セリナ相手にあまりにもあっさり引き下がったお前にムカついたから、お前の気持ちを試そうとしたけど、お前は平然としてるし……。挙げ句、元カレといちゃついてるところを見せられるとか、なんの罰ゲームだよ」
彼はまた不満げな顔をしていて、再び機嫌が悪くなったのは明白だった。
だけど──。
「……一回しか言わないからな」
そんな前置きをした篠原が、私の顎を掴んでお互いの視線をピタリと合わせた。
間近で見せられる真剣な表情があまりにも綺麗で、まるで金縛りに遭ったかのように瞬きひとつできない。
「愛してるよ、雛子」
そんな私に、彼はそれはそれはとろけるように甘い囁きを落としたのだ。
その言葉の意味を一瞬で理解した私の胸の奥から熱が込み上げ、意図せずに視界に映る篠原が滲む。
「ほら、雛子もちゃんと言えよ」
「俺も言ったんだから」とつけ足した彼は、真っ直ぐな瞳を向けたまま私の言葉を待っていた。