極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜【コミカライズ配信中】
甘いキスひとつで幸せを感じてしまえる俺は、もう理性を保ってはいられない。


雛子のことをずっと抱き締めていたくて、ドロドロに溶け合うほどに抱きたくて、息つく暇も与えずに口づけを繰り返す。
震える吐息に鼓膜を刺激され、それに応えるように心と体が熱くなっていく。


「覚悟しとけ。なにがあっても、手放してやらないからな」


俺の言葉に、彼女はとろけたような顔を緩めて微笑む。
その表情は、俺の理性を奪い切るには充分過ぎるほどの威力を伴ったまま胸の奥に突き刺さり、心をグッと掴まれてしまった。


「……ぁ、っ……」


恥じらいながら吐息混じりの鳴き声を漏らす雛子に、熱を持て余した体が“彼女のなかに入りたい”と主張する。
鼓動は忙しなく鳴り、思考を溶かしていく。


「雛子」

「んっ……」


キスの合間に答えようとする声を制するようにまた唇を塞ぎ、嬌声に震えそうな体に我慢を強いた。


雛子とひとつになりたい。
だけど、この状態のままで彼女をもっと堪能したいような気もする。


相反する思考にバカみたいに翻弄されて、自分で自分の首を絞めているのに……。俺の指先ひとつでも甘く鳴く雛子を見ているだけで、彼女を征服しているような気持ちになって胸が震えた。

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