極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜【コミカライズ配信中】
「かっ、帰りますっ‼︎」
背筋が粟立ったのを隠すように大声で言い放って、目の前のドアを乱暴に開けた。その様子を見ていた篠原の楽しげな笑い声が、背中から聞こえてくる。
そして──。
「お前は、もうすぐ俺のことを好きになるよ」
彼は自信に満ちた声で、そんなふざけたことを言い放ったのだ。
その顔はきっと、生き生きとしているに違いない。いつも、私をいじめる時のように……。
悔しさを抱きながらも篠原に勝てないことをわかっている私は、彼へのせめてもの反抗のつもりでドアが閉まる直前に叫んだ。
「絶対にありえませんっ‼︎」
篠原のマンションを飛び出した瞬間、冷たい空気に身震いをした。
熱を帯びていた体が、ゆっくりと冷めていく。
だけど、ラム酒の効き過ぎたほろ苦いチョコの味だけは、彼との情事を記憶に刻ませるかのように口の中に残っていた。
その不本意な余韻を掻き消したくて息を吸ったけれど、やっぱり微かなチョコの味だけは消えてくれない。
それはまるで、篠原が私のなかに住み着こうとするかのようで……。離れていても心を掻き乱す彼に、言葉にできない感情を抱いた。
それが“恋心”に似ているような気がしたのは、きっとあんなことがあったせいに違いない。
背筋が粟立ったのを隠すように大声で言い放って、目の前のドアを乱暴に開けた。その様子を見ていた篠原の楽しげな笑い声が、背中から聞こえてくる。
そして──。
「お前は、もうすぐ俺のことを好きになるよ」
彼は自信に満ちた声で、そんなふざけたことを言い放ったのだ。
その顔はきっと、生き生きとしているに違いない。いつも、私をいじめる時のように……。
悔しさを抱きながらも篠原に勝てないことをわかっている私は、彼へのせめてもの反抗のつもりでドアが閉まる直前に叫んだ。
「絶対にありえませんっ‼︎」
篠原のマンションを飛び出した瞬間、冷たい空気に身震いをした。
熱を帯びていた体が、ゆっくりと冷めていく。
だけど、ラム酒の効き過ぎたほろ苦いチョコの味だけは、彼との情事を記憶に刻ませるかのように口の中に残っていた。
その不本意な余韻を掻き消したくて息を吸ったけれど、やっぱり微かなチョコの味だけは消えてくれない。
それはまるで、篠原が私のなかに住み着こうとするかのようで……。離れていても心を掻き乱す彼に、言葉にできない感情を抱いた。
それが“恋心”に似ているような気がしたのは、きっとあんなことがあったせいに違いない。