旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
休日に一緒に遊んだり、部活が終わってから恋愛の話をしながら帰ったり。そんな普通の高校生活を過ごした友人たち。
気づかれないように深呼吸をして、激しく脈打つ心臓を静める努力をする。
「ふたりともどうしてここに?」
聞けば、ゆみかの父親が経営する会社も出展しているらしく、社会勉強も兼ねて来場したそうだ。
ゆみかが急に顔つきを変えて、私の頭のてっぺんからつま先まで物色するように眺めた。
「香澄ちゃんは宝来陶苑に就職したの?」
「あ、うん。そうなの。絵付師として働いてるの」
「へぇ……なんだかんだエリートコースを進んでいるんだね」
どこか悪意のある言い方に息が詰まる。
どうしてこんな棘のある言い方をされなきゃいけないんだろう。
転校するまではあんなに仲良くしてくれたのに。
「こういう世界ってやっぱり実力主義なの? そうじゃなかったら、香澄ちゃんが働いているわけないもんね?」
心臓が不快な音を立てた。
そうだった。ゆみかって、こういうところがあったんだ。
外見も家柄もいいゆみかは周りからちやほやされて、いつも高飛車な態度を取って周囲を困らせていた。