旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「だって、通信制の高校に転入したんでしょ? 学歴もないのに、こんな大企業に普通は入れなくない?」

 ゆみかの毒気にさすがについていけなくて、部活以外では極力関わらないようにしていた。

 祥子は誰にでも優しい人間なので、ゆみかともずっと一緒にいたっけ。

「大学にも行ったんだよ」

 火種になるといけないので、簡単な情報だけを伝える。

「ええ! そうなの!? あっ、でも、ご両親の保険金とかあるもんね……」

 さすがに言っていいことといけないことの区別がつかないのだろうか。

 腹正しいというよりは、悲しくなった。

 祥子は困惑したような目を、私とゆみかの間でさまよわせている。

「どうかされましたか?」

 重苦しい空気を切り裂いたのは、気づかぬうちに背後に立っていた成暁さんだった。

 成暁さんの姿を目に留めた途端、すぐにゆみかが反応する。

「なんでもないですよ。彼女高校の同級生で、偶然会って話していただけです」

 これ以上にない笑顔を成暁さんに振り撒いたのを見て胸がざわついた。

 そういえばゆみかって面食いだったっけ。
< 114 / 180 >

この作品をシェア

pagetop