旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 それなりに成績がよかった私は進学校へ入学し、部活動でも学生美術展などで幾つか賞を貰っていた。

 両親が亡くなり、叔父たちに引き取られてからは通信制の学校に転入して、幸泉陶器の手伝いをしながら静かに過ごした。

 心の傷を癒す手段として、引きこもることが一番適していた。

 叔父さんと叔母さんの優しさに触れているうちに、いろいろとまた頑張ってみようと思えるようになり、芸術大学に無事合格できたおかげでこうしてこの場に立てている。

 けれど、昔の友人と再び連絡を取り合うことはしなかった。

 性格もだいぶ変わってしまったし、彼等には彼等の、今の生活にあった友人がいると思ったから。

 薄情だったかな。ゆみかのあたりも昔と比べて強かったし。

「話したくないならいいよ」

 成暁さんは、口を閉ざしたままの私の頭に手のひらを置く。

 こうされるとすごく安心する。

「だからそんな不安そうな顔するなよ」

 そんなふうに言われたら余計に心が突き動かされて、泣きそうになってしまった。

 私って泣き虫だったんだなぁ。
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