旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「成暁さん」

「ん?」

 成暁さんの横顔をジッと見つめる。

 信号が赤に変わり、顔を傾けた成暁さんと目が合う。

「ありがとうございます」

 涙が滲んでいることに気づかれてしまうかもしれないけど、ちゃんと目を見て伝えたかった。

「うん。ありがとうとごめんがきちんと言える子は好きだよ」

 また反応に困ることを言う。

「いつも髪を上げてればいいのに」

「急になんですか?」

「可愛い真っ赤な耳が見れるから」

 ふっと笑われて、慌てて耳を手で押さえた。

 やっぱり赤くなってるんだ!

「あー、でも、可愛過ぎて他の男に見せたくないから、やっぱり隠しておいた方がいいか」

「言っておきますけど、成暁さんの前でしか赤くなりませんから!」

「そうなんだ? どうして?」

「ど、どうしてって……」

 勢い余って余計な事を口走ってしまった。気が動転して目が泳いでしまう。

「あんまり煽らないでくれる? ここじゃ堂々と香澄に触れられないんだから」

「なっ――」

 成暁さんは楽しそうに笑みを浮かべながら車を発進させる。
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