旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 顔から湯気でも出ているんじゃないかと思うくらい熱い。

 横から伸びてきた手が、指先まで熱くなっている私の手を握った。

 繋いだ手を離したくない。そう思ってしまうほど、私はもう成暁さんに惹かれてしまっている。



「起きた?」

 いつの間にか閉じてしまっていた目を開けると、そこはもう幸泉陶器の敷地内だった。

「え!? すみません、私寝ちゃって……!」

 なんということだ。送ってもらった挙句、運転してくれている成暁さんの横で寝てしまうなんて。

「少しはよくなった?」

「は、はい。頭痛もなくなってます……」

 どうやら薬が効いてきたようだ。

 そこではたと当惑する。

「あれ……? ジャケット……」

 シートベルトも、羽織っていたジャケットも取られている。しかも首元まである襟のボタンが外されて、胸元が露わになっている。

 サアーッと血の気が引いた。

「苦しいかと思って勝手に外した」

 悪気なんてもちろんなく、親切心でやってくれたのだろう。それが分かっているから余計に言葉が出てこない。
< 122 / 180 >

この作品をシェア

pagetop