旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
動揺したまま巡らせた瞳に、デジタル時計のディスプレイに表示された七時という文字が飛び込む。
最悪だ。
約束を交わした日からずっと楽しみにしていたのに。きっと、香澄だって同じだったはず。
クリスマスは仕事で会えないので、今日がその代わりだと伝えてあったし。
どんな気持ちで、爆睡している俺の横で眠りについたのだろう。
やりきれない想いで香澄の頬を撫でていたら、閉じられていた瞼がそっと持ち上がった。
「悪い。起こした」
まだ完全に目が覚めていない香澄の目が、ぼんやりと俺を見上げる。
「……あっ、おはよう、ございま……す?」
正確な時刻が分からないからか、香澄はおかしなイントネーションで言った。
「おはよう」
笑いかけると、香澄もふにゃっと気の抜けた笑顔を見せた。
その顔を見せられた途端、再び激しい後悔が押し寄せる。
「起こしてくれればよかったのに」
「気持ちよさそうに寝ていたので。成暁さん、寝不足が続いていたでしょ?」
「睡眠より大事なことがあった」
「……今晩もあります」
その通りだ。日曜の今日も宿泊することになっている。俺も香澄も明日は有給休暇を申請してある。