一期一会
「夏服、似合ってる。セーラー、夏っぽくて良いな」

私のセーラーを見ながら言った。

その言葉に心臓はやっぱり速くなる。

「ありがとう……中原君も、夏服似合ってる……。爽やかさ倍増、みたいな?」

セーラーにして良かった。
というか、もうポロ着れない。
毎日セーラーで決定。

「ハハッ。爽やかに見える?サンキュー」

彼は少し照れながら答える。
その顔が可愛く見えて、見入ってしまう私。

「そういえば、テスト。大丈夫だった?」

中原君が訊いた。

「勿論。あの勉強会の効果だね。中原君は?」

「勿論。この前、勉強した時どっか行こうって言っただろ?どっか行きたいとこある?」

最後の言葉に期待が沸いて心臓がまた速くなる。

「と、特に無いけど」

とりあえず私は冷静を装う。

「水族館、行く?俺んちの近くにあるんだ」

それって……

「楽しそう!行きたい!」

その提案に私は冷静なんて忘れて、興奮して返してしまう。

「じゃあ決まり。予定無かったら次の月曜日に行くか?創立記念日で休みだから」

「空いてるよ!行こう!楽しみだね!」


早く月曜日にならないかな!
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