一期一会
パンフレットを見るとイルカショーの欄を見つけた。


「もうすぐイルカショーだって。観に行こうよ!」

「おー、行くか」

イルカショーは野外のようでで先程の空を思い出し、心配になった。

ショーの客席に座ると上の空はどんよりしているが、一応屋根は付いているし、雨は降っていなくてホッとした。

すぐにショーが始まった。

イルカって凄いよね。
教えた通りに動くしね。
どうやって調教しているんだろうって感心しちゃう。


イルカショーを観た後は道順通り回る。




「何時まで観てる気?」

「だってペンギン可愛い!」

道順通り回る予定だったが、序盤のペンギンの可愛さに私の足が止まってしまった。


「まぁベンチあるから良いけど」

中原君は初めは私の隣に居たけれど、いつの間にか私の隣から消えていて後ろにあったベンチに座っていた。


「でもさ、もう十五分経つけど?」

どうやら私はペンギンのガラスに十五分張り付いているらしい。
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