一期一会
「顔、真っ赤」

その言葉に自分の異常なまでの身体の火照りに気付いた。
彼は座ったままクスクス笑っている。


「この前の電話の時も、そんなに赤かったのか?」

「し、知らないっ!」

彼の言葉に耐えられなくなり、ペンギンの方へと顔を戻した。


男の子に名前を呼ばれたのは初めてじゃないのに……。
ドキドキしてもいつもポーカーフェイスで誤魔化せたのに……。

中原君に言われると誤魔化そうとしても、溢れてちゃうーー『パシャ』




ん?パシャ??


音の方へと目をやると中原君がいつの間にか私の隣に居て、しかも携帯を私の方へと向けていた。


「記念に撮っといた」


まさか……写メ撮った!?
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