一期一会
彼はテリヤキ、私はチーズの入ったハンバーガーにした。


「これが一番好きなんだよね」

そう言って目の前の中原君は美味しそうに頬張っている。

「……写メ消して」

だが私はそれどころではない。

「まだ言ってんのか?早く食べないとポテト冷めるぞ?」

私は頬を膨らませてムッスーとしている。
ハンバーガーは一応持ってはいるが、写メが気になりすぎて全然食事は進んでいない。


「また変な顔してるな。写メ撮ろうかな~」

中原君が意地悪そうな顔をして携帯を取り出そうとしている。

「美味しいですね、このポテト!」

私はまた写メを撮られたくなくて、ポテトを素早く口に放り込んだ。
それを見た彼は肩を揺らして笑った。

「面白いヤツ」


私、中原君には絶対勝てない気がする……。




お昼を食べてからまた水族館に戻る。


「深海魚、面白いね!」

「なんかグロくね?」
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