一期一会
私達の関係って何なんだろう……。


二人で出掛けるけれど、ただそれだけ。

隣には居るけれど、ただそれだけ。


アツヒロ君と成実ちゃんを見てから、私は自分がわからなくなっていた。


私はずっとこのままで居たいのか。

それとももっと近付きたいのか。


どうしたいんだろう……。


これから、この気持ちはどうなっていくんだろう……。




全てを見終わったのは十六時過ぎ。


「これで全部観たな。結構楽しかったな、水族館」

「うん！また来たいね！」

二人でなんだかんだはしゃぎまくって館内の全てをしっかり見た。
正直、こんな楽しめる場所だとは思わなかった。

「外に出るか」

大満足で私達は水族館の出口のゲートを通る。


ザァーーーーーーーーーーーーーーーー！


お昼ぶりに出た外はまさかの土砂降りだった。


「ずっと室内に居たから気付かなかったね……。中原君、傘持ってる？」

「持ってない。西野も持ってないって言ってたな。売店見てみるか。傘あるかも」

「そうだね」

流石にこの雨だと傘が無いと駅に着く頃にはびしょ濡れになってしまう。
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