一期一会
彼が濡れないようにするには近付かなきゃいけない。
でも近付くと心臓はバクバク。
だからと言って離れると彼が濡れてしまうから、離れることは出来ない。
だってここは一つの傘の中。
辺りは少し前は雨のせいで前が見辛いほどの土砂降りの雨。
せめてもの救いは私の心臓の音がこの雨のお陰で彼に聞こえないこと。
「雨、凄いな」
「うん……」
中原君は傘を持ってくれている。
狭い傘の中で中原君の腕が私に触れたり離れたりを繰り返している。
中原君には私と相合い傘をすることなんて、どうってことないこと何だろうか。
私は今にも心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかってくらい緊張しているのに。
水族館から駅まではそう遠くない。
あぁ…私の心臓が飛び出す前に駅に着いて下さい……。
「あ!」
その時、私は重要なことを思い出して思わず叫んでしまった。
「ん?」
「中原君の家は何処!?」
肝心なことを聞き忘れていた。
傘は一本しかないから、彼を家まで送っていかないといけなかったのに自分のことでいっぱいいっぱいになってた。
「俺んち、駅の上。ほらアレ。こっからも見える」
「そうだったの!?」
そう言いながら中原君は高い建物を指差した。
とりあえず向かう方角は同じだったので少し安心した。
でも近付くと心臓はバクバク。
だからと言って離れると彼が濡れてしまうから、離れることは出来ない。
だってここは一つの傘の中。
辺りは少し前は雨のせいで前が見辛いほどの土砂降りの雨。
せめてもの救いは私の心臓の音がこの雨のお陰で彼に聞こえないこと。
「雨、凄いな」
「うん……」
中原君は傘を持ってくれている。
狭い傘の中で中原君の腕が私に触れたり離れたりを繰り返している。
中原君には私と相合い傘をすることなんて、どうってことないこと何だろうか。
私は今にも心臓が口から飛び出してしまうんじゃないかってくらい緊張しているのに。
水族館から駅まではそう遠くない。
あぁ…私の心臓が飛び出す前に駅に着いて下さい……。
「あ!」
その時、私は重要なことを思い出して思わず叫んでしまった。
「ん?」
「中原君の家は何処!?」
肝心なことを聞き忘れていた。
傘は一本しかないから、彼を家まで送っていかないといけなかったのに自分のことでいっぱいいっぱいになってた。
「俺んち、駅の上。ほらアレ。こっからも見える」
「そうだったの!?」
そう言いながら中原君は高い建物を指差した。
とりあえず向かう方角は同じだったので少し安心した。