一期一会
向かう先は美容院。


中原君が好きだと言ってくれた髪。




やっぱりこの髪を好きになることは出来ないみたい。








そして次の日の朝。


「はぁ……学校に行きたくないな……」


久しぶりに学校に行きたくない気持ちに苛まれる。
洗面所の鏡に映るショートの髪を見ていたら、制服に錘がついているみたいに感じる程身体が重く感じて。


「でも行かなくちゃ……」


重い身体に叱咤を入れて、私は学校へ向かう。


中原君に間接的に振られただけで、彼は何も悪くない。
だから今まで通り彼とは接しなくちゃいけない。

はぁ……今まで通りが、辛い。


教室に向かうと入り口に成実ちゃんが立っているのが見えた。
誰かと話をしてるっぽい?

とりあえず挨拶をしよう。
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