ようこそ、恋愛指南部へ!





音楽準備室の隣の教室……

そう言えば、あまり来たことはないかもしれない。
  
入学して3ヶ月、まだ校舎内を全部は把握しきれていない。

扉をノックするのも嫌だが、カバンを返してもらうだけだ。

すぐに済ませよう、そんな気持ちでコンコンっとドアを叩いた。



「どうぞー」

「……し、失礼します」

 
恐る恐る入室する。


教室の広さは他の教室よりは少し狭いかもしれない。



「ようこそ、恋愛指南部へ」

扉を開けて真っ先に出迎えてくれたのは、ふわりと微笑むお兄さんだった。


「深水(ふかみ) 志乃ちゃんだね?梓沙ちゃんから話は聞いているよ。

今日は僕らに相談を依頼したいんだってね?」


緩くウェーブされたライトブラウンの髪が風になびいてさらさらっと揺れる。


きれいだな…

思わずはいそうですって言ってしまいそうになるくらい、きれいな人だ。

「いえ…私、カバンを取りに来たんですけど…アズいますか?」


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