略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
俺は椅子を滑らせて結に近寄ると、耳元で囁いた。

「1週間、待ったんだ。
これ以上、待たせるな。」

ようやく意味を理解したのか、見る間に結の顔が染まっていく。

結は、顔を隠す様に俯いて、黙って帰り仕度を始めた。

「くくっ
相変わらず、結は分かり易くてかわいい。」

そんな結を横目に、俺も帰り支度をした。



俺たちは会社を出て、夕食を取りにダイニングバーに寄った。

少しのアルコールと美味しい食事を楽しむつもりだったが、結は思いの外、口数が少なかった。

そんな結もかわいくて仕方ない。

ほろ酔い気分の俺は、結とずっと手を繋いで帰った。


21時過ぎ、俺たちはマンションに着いた。

結は部屋で着替えを準備して、俺と共に3階へ上がる。
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