極上御曹司の愛妻に永久指名されました
これは一体何の拷問ですか?
もう、恥ずかし過ぎてずっと隠れていたい。
「……もっと地味なのがいい」
項垂れながらぼやいたら、風間がクールにチラッと腕時計を見て告げた。
「残念ながら時間切れだ。そろそろレストランに行かないと」
店の外に待たせていた二台のタクシーに二人ずつ乗り込む。
小春と一緒かと思ったのに、私の同乗者は風間だ。
「ねえ、このドレスってレンタルだよね?」
すごく高そうだし、レンタルでもいくらするんだろう。
私の質問に彼は素っ気なく答える。
「さあ。尊が手配したから知らない」
もうこの人達は……。
お金に無頓着過ぎませんか?
ずっと一緒にいたら、私の金銭感覚狂いそうだよ。
「眉間にシワ」
突然、風間が私の眉間を指でつついた。
「わあっ、いきなり何?」
ビックリして後ろに仰け反ると、彼はクスッと笑う。
< 19 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop