極上御曹司の愛妻に永久指名されました

一体なんの用でかけてきたのだろう。
普段連絡してこない人からの電話はなんだか怖い。
ジーッとスマホを見据えていたが、電話が切れる様子がないので仕方なく通話ボタンをタッチした。
「はい、どうしたの、お姉ちゃん？」
『今あんたの会社の近くのカフェにいるの。もう会社終わったんでしょ？一緒に晩ご飯食べない？奢るわよ』
姉の誘いに数秒沈黙する。
昔から姉が優しいと、いいことがない。
なにか魂胆があるのだ。
小学生の時、おやつのショートケーキを譲ってくれてそれを食べたら、姉は両親に私が勝手に食べたと言って大騒ぎした。結果、私は一週間おやつ抜きになり、姉は欲しかったバッグを買ってもらった。
中学の時は観たかった映画のチケットをくれて凄く喜んだのだけど、姉が両親に頼まれた買い出しを私が代わりにやる羽目になった。
他にも姉のせいで酷い目に遭ったエピソードがたくさんある。