【短】碧くんしか見てないよ
碧くん、どこ行くんだろう。
また、保健室かな。でも、怪我はしてないようだけど。
──碧くんがサッカーコートにいなかったら、わたし、ここにいる意味──ないよ。
「っえ、和華、どこ行くの?」
わたしはまるで碧くんに吸い寄せられるみたいに、勝手に体が動いていた。
「ちょっと」
それだけ言って、その場を離れた。
わたしやっぱり──碧くんが、好き。
冗談って思われていても、からかってるって思われていても、いい。
信じてもらえるまで、頑張ればいいんだから。
まさかわたしからこんな考えが出るなんて。
自分でも、おかしい。
いつも相手から好き好きってかんじで、基本受け身だったのに。
碧くんは、いったいわたしにどんな魔法をかけたの?