お酒はハタチになってから
「翔くん」

「大学生だからダメってのはナシだよ。」

口実を封じられて、言葉が行き場を失った。

「未成年はだめって言ったのは、渚さんだ。俺は、ハタチまで2年待った。
だから、ちゃんと、考えて。」

瞬きすらも止まって、私たちは互いの目だけを見ていた。

「酔って忘れたなんて、言わせない。
どんなに前後不覚でも、記憶飛んだことないでしょ」

もう、誤魔化しきれない。
往生際の悪い私は、彼から目を逸らした。

だって、彼が高校生の時に「付き合って下さい」と言ったのを笑って無理矢理冗談にしたのは私だから。
彼が遊びでそんな事を言わないとわかっていたからこそ、怖くて逃げた。

見てるだけでいいと思ったし、付き合ったとしても先はないと思った。飽きたら離れていくと。

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