Snow Doll ~離れていても君を~
「優希奈の兄は、何か言っていなかったか?」
そばに立った如月先輩が、探るように私の目を見る。
「えっと……、次に会ったときは迎えに行くって」
そう言ったとき、一瞬海里がこちらを見た気がして。でもすぐに視線をそらされる。
伏し目がちな表情は、どこか切なげだった。
「迎えに……、そうか」
「蒼生のトップは最近決まったんだっけ」
「ああ。冷酷で、なおかつ残虐だと噂に聞く」
鋭い目つきの、さっきの人のイメージぴったりだと思う。
「蒼生は桜花にとって手強い相手だ。影島が動いているということは、早くしないと先に奪われるな」
「そうだよー。もたもたしてたら、全部持ってかれちゃうよ。優希奈さんも、ね」
春馬君が意味ありげに海里の方へ視線を送る。
「海里。明日の夜、椿の姫を見に行く」
如月先輩は一番遠くにいた海里へ声をかけた。
「わかりました。何人で行きますか?」
「そうだな。 10人でいい」
「優希奈さんも、もちろん連れて行くんでしょ」
「そのつもりだ」
「え……? 私も?」