Snow Doll ~離れていても君を~
「海里君は椿の姫と優希奈さん、どっちが好み?」
春馬君は私が後ろから近づいていることに気づかないまま、隣に立つ海里へ聞いていた。
そんな心臓に悪い質問は、やめて欲しい。
息をひそめて海里の答えを待つ。
「そんなの、聞かなくてもわかるだろ」
無愛想に海里が答える。
その言葉に傷つく私。
確かに、10人いたら10人とも椿の姫を選ぶと思う……。
海里は“彼女は必要ない”と言っていたけれど、あんな綺麗な人となら付き合いたいと思うのかな。
想像すると胸が痛かった。
イルミネーションではなく星空を見上げながら、海里は淡々と続ける。
「優希奈の方が、全然可愛い」
「…………」
その場にいた全員が凍りつく。
理希や椎名君、如月先輩までもが海里を振り返り、目を見開いている。
「……海里君、キャラ変わった? 熱でもあるの?」
やっと立ち直ったのは春馬君で。
呼吸困難になりかけた私は、ただ顔中を熱くしてうつむくだけだった。