Snow Doll ~離れていても君を~


登校前にもう一人の父にメールをしてみると、今日は夜勤ということで、今から渡しに行くことにした。

父は海里の家からわりと近いマンションに理希と二人暮らしをしているそう。


「おはようございます」

敬語で挨拶をし、リビングに上がらせてもらった私は、まだどこか他人のようにぎこちない。

父の名は、理人(りひと)という名前らしい。
でも理人さんと呼ぶのも変だし、理希のお父さんと呼ぶのも他人行儀過ぎる感じがして、どう呼んだらいいものか悩んでいた。


「お、優希奈。久しぶりだな」

理希の父は気さくに頭を撫でてくれる。

何だか懐かしい。小さい頃、家に遊びに来てくれたときも、こうされた記憶がうっすらとある。

理希はすでに学校に行ったあとで、父一人しかいなかった。


「これ、ガトーショコラです。良かったら理希と二人で食べてください」

「ありがとう、美味そうだな」


理希と似た笑顔で、ニッと笑う父。
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